関東有数のコメどころとして知られる千葉県・東庄町。コメ農家・多田正吾さんは、8月上旬にも収穫が始まる早場米「ふさおとめ」などを育てている。今、頭を悩ませているのが早すぎる猛暑と水不足。田んぼに水はなく、いたるところに深い亀裂ができている。東庄町では、6月の雨量が68.0ミリで、平年の半分以下しか降っていない。去年と比べると2割以下。そもそも、今は田んぼから意図的に水を抜く「中干し」を行う時期。ことしは中干しを終える時期を10日ほど前倒しする。田んぼに水を引く時期を早めたわけは。ふさおとめは暑さに強い品種だが、6月猛暑の影響で、早くも稲穂に花が咲き始めていた。多田さんは「暖かいから今年は生育が早い。中干しも早く切り上げないと、実入りが悪くなる」と話す。この先も全国的に気温が高くなるとみられている。宇都宮大学農学部・松平尚也助教は、「猛暑が心配されるが、全体で40万トン増産の見通し。天候による影響を受けても生産量は増える。9月から新米の時期になるが、5キロ3500円前後になるのでは」などと説明。