島根県西部で家じまいを事業として手がける齊藤憲嗣さん。開かれたセミナーは満員御礼で、関心の高さがうかがえる。家じまいを口にするのは簡単だが、皆その現実の姿を全て理解できているわけではない。齊藤さんへ舞い込む依頼に密着すると、その難しさが次々と見えてきた。島根県江津市にある家では、家じまいの一歩として遺品整理を行う。部屋には段ボールが山積みで、別の部屋には布団やCDが押し込まれていた。依頼人の佐々木孝久さんは3年前に母の久子さんを亡くし、一人で暮らしていたが一周忌を終えて気持ちの整理がつき、今回遺品整理を決めた。ある部屋は物が溢れていたが、20年前に亡くなった父の義雄さんの遺品。全て母の久子さんが亡き夫に思いをよせて残して置いてほしいと願ったものだった。一見不要なものでも、母の心を思えばどうしても捨てられなかったという。しかしこのままでは前に進めないと、専門業者の齊藤さんを頼ることにした。足場のない部屋を片付け、何を捨てないを残すのか。佐々木さんの場合最大の問題は母と生前に相談をしなかったこと。判断する基準がない。見つかったのは母の結婚指輪、自身の母子手帳など宝物があった。遺品整理の際に出くわすハードルの一つは価値のある金品。高齢になってからは認知症気味だった母。お金をしまったことをすっかり忘れていた。家のいたるところから集まったお金は古いお札をあわせて100万円を超えた。その存在を知らなかったとしても、両親が残したのであれば相続の対象になる。税務署での煩わしい申告作業が発生する。
さらに細かな確認作業が必要な書類は困難を極め、電力の契約先を知るすべがなく解約できないために家を手放すことができないというケースも。契約の本人確認が個人スマホに紐付けられることも多く、スマホの解約も最後なのが重要。作業開始から7時間。遺品整理費用は60万円に。遺品整理を終えた今、頭によぎるのは父のものを捨てたくないという母の言葉。親の死を考えたくない、本人には言いたくない。その気持も家じまいに立ちはだかる壁。母の一周忌のあとに始めた遺品整理は無事に終わったが、佐々木さんには何年かさきに遺品整理の次の段階の家や墓を処分する務めも待っている。
さらに細かな確認作業が必要な書類は困難を極め、電力の契約先を知るすべがなく解約できないために家を手放すことができないというケースも。契約の本人確認が個人スマホに紐付けられることも多く、スマホの解約も最後なのが重要。作業開始から7時間。遺品整理費用は60万円に。遺品整理を終えた今、頭によぎるのは父のものを捨てたくないという母の言葉。親の死を考えたくない、本人には言いたくない。その気持も家じまいに立ちはだかる壁。母の一周忌のあとに始めた遺品整理は無事に終わったが、佐々木さんには何年かさきに遺品整理の次の段階の家や墓を処分する務めも待っている。
