能登半島地震からあすで5か月。被災地の人口流出が進む一方、ある取り組みをきっかけにこの地を選んだ若者たちがいた。石川県珠洲市。崩れた家は残ったまま。見通しのつかない水道の完全復旧。珠洲市正院地区、仮設住宅の集会所で開かれたイベント。地元出身の主催者をサポートする県外から移住者。北海道出身の西海一紗さん。東京で映像関連の仕事をしていたが2年前にこの地へ。きっかけは奥能登国際芸術祭。アートの力で地域を盛り上げようと2017年に始まり、去年は5万人を超える人が訪れた。崩れた作品。イベント会場としてにぎわった場所も無残な姿に。カラフルな衣装が吊るされたステージに被災者が寝泊まり。芸術祭をきっかけに移住してきた若者たちはいま珠洲の復旧、復興に欠かせない存在。もともと少子高齢化が進んでいた珠洲市は、その傾向が一層加速する恐れがある。地域の新たな担い手として、西海さんのような移住者に地元の人たちも期待している。古くから伝わる「能登はやさしや土までも」という言葉がある。人の心の豊かさが、若者とこの地をつなぎ、未来の力になるかもしれない。