春にかけて最盛期を迎えるイチゴ。各地でブランドイチゴの開発が進む中、いま注目されているのが千葉県で生まれた品種「真紅の美鈴」。濃い色合いから「黒イチゴ」とも呼ばれている。糖度が高い一方で、繊細なため栽培が難しく希少性も相まって店頭に並ぶと即完売の人気ぶり。色の濃さについて開発者のナルケンいちご園・育種家の成川昇さんは「熟度が増せばアントシアニンが増す。果実の中まで赤くても酸っぱくない。奥行きがある」と語った。一般的なイチゴの糖度は約10度だが、「真紅の美鈴」は15度~16度と非常に高いのが特徴。中国のSNSを見ると「真紅の美鈴」と書かれたイチゴがフルーツ界のエルメスとして高額で取引されている。現地メディアは「真紅の美鈴」が中国に導入され栽培されていると伝えている。この状況に開発者の成川さんは「私は許諾していない」と困惑を隠せない。流通経済研究所・折笠俊輔主席研究員は「苗を現地で増やしやすいのでイチゴは狙われやすい。レッドパールと章姫という品種が過去に韓国に流出して向こうで交配されて現地の人気品種になってしまった。今回流出だとすれば悪意、狙ってやったこと」と指摘する。
