チコちゃんが「なにも買わずに店を出ることをなんで「冷やかし」っていうの?」とクイズを出した。正解は紙を冷やす間のひまつぶし。江戸川大学の斗鬼正一名誉教授の解説。「冷やかし」は江戸時代に誕生した言葉で紙の作り方がルーツ。江戸時代、紙は高級品だったため古い紙を回収したり落ちている紙くずを集めたりして再生紙を作り何度も使用していた。再生紙を作る職人たちは浅草に多くいたので浅草紙と呼ばれていた。浅草紙は川の水にさらした大量の古紙を釜で煮て棒で叩いて細かくして紙にしていた。釜で煮たあとに水で2時間冷やすためその時間をつぶすために浅草の紙職人は近所の吉原遊郭に遊びに行っていた。紙職人が働く地域には「紙洗橋」という地名が残っている。紙職人たちは遊ぶ金もなくぶらぶらと見て回るだけで帰っていたので遊女たちが「あの客は紙を冷やかしている間にひまつぶしに来ただけの冷やかしよ」と言い、そこから買う気もないのに来店する人や行為にも「冷やかし」が使われるようになった。当時、吉原遊郭は文化や流行の発信地だったので「冷やかし」は全国に広まった。殿様やお金持ちは舟で吉原遊郭に来ていたが浅草紙職人は田んぼ道を歩いて来て足元や服が泥だらけだったため遊女たちは服装を見れば「冷やかし」かどうか分かったという。超高級腕時計店の店長に冷やかし客を見極める方法を聞くと「HIKAKINさんが着けてる時計どれ?」と聞いてくる客だという。この店の常連の冷やかし客だという元プロサッカー選手の檜垣裕志さんは18年で2,160回来店している。実は冷やかし客はほかのお客さんが入店しやすくなるので店には迷惑ではないという。