岐阜県・安八町の田んぼの中にある建物。その中には人がいっぱいだったが、ここは高品質のタオルが割引価格で買えるアウトレットショップだった。お客の心をしっかり掴むこのタオルの名前はエアーかおる。最大の特徴は吸水力にあり、水をかけると一般的なタオルは吸いきれないが、エアーかおるはほとんど吸い込んでしまう。このタオルを開発したのが浅野撚糸。本業はタオルの製造ではなく、生地のもとになる撚糸の製造。複数の糸を撚り合わせてつくる新たな糸のことで、大ヒットタオルに使用されたのは独自開発した抜群の吸収力をもつ、スーパーゼロという撚糸。スーパーゼロは綿の糸とお湯に溶ける水溶製糸をねしりあわせて作る。この撚糸をお湯にひたすと、水溶製糸だけがとけて撚った近たの反動で綿が膨らみ繊維に隙間ができ、吸水力抜群のスーパーゼロが完成する。スーパーゼロから作った エアーかおるが製造されたのは2007年の頃、すると魔法のタオルと話題になり累計1900万枚を売り上げる大ヒットに。休日には100万円を売り上げるショップには浅野撚糸社長の浅野雅己の姿が。衰退する繊維産業で浅野は唯一無二の商品を開発し、下請けから脱却した業界の風雲児。浅野が作り上げたスーパーゼロは家庭用にとどまらずホテル業界でも活躍。メズム東京は世界最大のホテルチェーンのマリオットグループと提携している高級ホテル。