時は1966年ジャイアント馬場がワールドリーグ戦で初優勝。若者たちの間ではモッズルックというファッションが流行した。その年で虎ノ門で竣工したのはホテルオークラ東京に近い、共同通信会館。地下一階には長年愛されている飲食店が今も4軒営業している。浪漫亭はその一つで、レトロな雰囲気を醸し出しているが、オープンは平成4年と比較的新しい。自称昭和感のあるマスターから作られる洋食はボリューム満点。お客の98%が注文するのは炭火焼き風ハンバーグ。こちらのハンバーグに”炭火焼き風”と名付けたのは、元々は本当に炭で焼いていたのだそう。マスターはフレンチやステーキハウスで修業。26年前炭火焼きのハンバーグで勝負したいと今の店をオープンしたが、消防法の関係上地下で炭はやめてくれと言われたという。だが、直火にこだわることでジューシーな食感を実現した。だから炭火焼き風だという。ハンバーグには牛の外モモを使用。さらに、しっとり感を出すために牛のある部位を加えるが企業秘密とのこと。これで、ハンバーグは絶妙なジューシーさを手に入れることが出来るという。開業して26年店は大きな転機を迎えていた。それは共同通信会館のビルが5年後で解体で新しいビルになってしまうという。跡継ぎのいないマスターは店をやめようと思っていたが、甥が継ごうと決心してくれたという。
住所: 東京都港区虎ノ門2-2-5