羽田空港で起きた衝突事故。日本航空機が着陸した直後、インターフォンシステムが使えなくなっていた。乗務員たちは自分たちの声や身振りで指示や連絡をしなければならない状況だった。乗務員が大きな声で落ち着くように呼びかけている。緊急事態のとき、安全マニュアルには乗務員が行う脱出への5つの手順がある。身を守ったあと、乗客を落ち着かせるパニックコントロールを行い、状況を確認。乗務員と連携をとりながら、非常口に誘導する。中でも大切なのはパニックコントロール。非常口を開けると火が入ってくることもあり危険。そのため、乗務員はそれぞれの非常口を守ることがセオリー。今回はL1にいるチーフ乗務員がエンジン付近まで動いて火災を確認、機長に口頭で伝えて脱出の指示を得た。この動きでL1・R1の扉が開き脱出ができた。前方から脱出がはじまるなか、中程では待機する時間が続いていたとみられる。その時、乗客同士で声を掛け合っていたという。後方では火が近くパニックになる乗客もいた。開いている非常口は前方のみ。唯一可能性があった後方の左側L4の扉があったが、地面との距離が広がっていた。この場合は、スライドが地面に届かず大けがをするリスクもある。衝突から9分後、L4のスライドは地面にギリギリつく状態で無事に脱出できた。