2024年1月10日放送 19:33 - 20:00 NHK総合

クローズアップ現代
羽田空港 衝突事故 緊急時、命を守る“判断”とは

出演者
桑子真帆 
(オープニング)
最新報告 羽田衝突事故 命を守る“判断”とは

今月2日、羽田空港で起きた衝突事故。火災発生直後の映像を入手した。映像を分析すると乗客の適切な対応と乗務員のギリギリの判断があったことがみえてきた。事故から1週間最新報告。

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東京国際空港
オープニング

オープニング映像。

羽田空港 衝突事故 緊急時 命を守る“判断”とは
最新報告 羽田衝突事故 原因はどこに?

羽田空港で起きた衝突事故。海上保安庁の乗組員5人が亡くなった。なぜ日本航空の旅客機が着陸する前に海上保安庁の航空機が侵入したのか?管制官は海保機に対してナンバー1という言葉とともに滑走路停止位置まで地上走行するよう指示。海保機は正しく復唱したが滑走路に入った。ナンバー1という言葉を海保機が離陸許可だと取り違えた可能性がある。国土交通省はきのう、当面事前に出発順を伝えずに離陸許可を出すなどの緊急安全対策を実施するとした。

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国土交通省日本航空東京国際空港海上保安庁
最新報告 羽田衝突事故 なぜ防げなかった?

事故はなぜ防げなかったのか?元海上保安庁の整備士は機長が誤った判断をした場合でも気づく仕組みがあったという。誤った認識による滑走路上での事故はこれまでも起きていて多数の乗客が死亡する大惨事にもつながった。2015年、徳島空港では航空機のパイロットが滑走路上の車両に着陸直前に気づき、事故を逃れたこともあった。過去に発生した誤侵入は23件、いずれも事故を回避していた。このうち、人による目視などで誤侵入に気づいたケースが9割以上。専門機関がまとめた誤侵入防止マニュアルでも人こそが真の門番だと記されている。パイロットが回避する手立てはなかったのか。元機長の樋口文男さんに事故現場を見てもらった。海上保安庁の航空機が侵入した場所は日本航空機の着陸地点の先、パイロットは着陸地点に集中して、その先の航空機に気づきにくかったのはないかという。海上保安庁の航空機は40秒間、滑走路上で停止していた。担当した管制官は別の航空機の調整などがあったため意識していなかったと話している。羽田空港には滑走路の誤侵入を防ぐシステムもあり、事故時にシステムは正常に作動していた。

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徳島飛行場日本航空東京国際空港海上保安庁

国連の専門機関で安全監視に従事していた井ノ口寛さんは今回の航空事故は様々な安全対策の網目をくぐり抜けて起きたものだと考えている。事故原因の究明は責任追求ではなく、再発防止を目的に進められるべきだと指摘する。

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日本航空東京国際空港海上保安庁

航空の世界では1つのエラーがおきても、2重3重に事故を防ぐ仕組みフェールセーフという考え方が徹底されている。今回の事故について航空評論家の井上伸一さんは日本航空機、海保機、管制塔のフェールセーフについて話した。担当の管制官は別の航空機の調整などがあったため海保機を意識していなかったとしていて、システムは正常に作動していたため管制官はこれを見ていなかった可能性があると指摘されている。羽田空港の航空機の混雑が管制官の余裕をなくしているという指摘もある。井上伸一さんは滑走路への誤侵入の事故は過去にもあり、対策を作り教育・訓練をしたことがあったが、その教訓が生かされなかったという。

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日本航空東京国際空港海上保安庁
最新報告 羽田衝突事故 命を守る“判断”とは

羽田空港で起きた衝突事故。日本航空機が着陸した直後、インターフォンシステムが使えなくなっていた。乗務員たちは自分たちの声や身振りで指示や連絡をしなければならない状況だった。乗務員が大きな声で落ち着くように呼びかけている。緊急事態のとき、安全マニュアルには乗務員が行う脱出への5つの手順がある。身を守ったあと、乗客を落ち着かせるパニックコントロールを行い、状況を確認。乗務員と連携をとりながら、非常口に誘導する。中でも大切なのはパニックコントロール。非常口を開けると火が入ってくることもあり危険。そのため、乗務員はそれぞれの非常口を守ることがセオリー。今回はL1にいるチーフ乗務員がエンジン付近まで動いて火災を確認、機長に口頭で伝えて脱出の指示を得た。この動きでL1・R1の扉が開き脱出ができた。前方から脱出がはじまるなか、中程では待機する時間が続いていたとみられる。その時、乗客同士で声を掛け合っていたという。後方では火が近くパニックになる乗客もいた。開いている非常口は前方のみ。唯一可能性があった後方の左側L4の扉があったが、地面との距離が広がっていた。この場合は、スライドが地面に届かず大けがをするリスクもある。衝突から9分後、L4のスライドは地面にギリギリつく状態で無事に脱出できた。

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日本航空東京国際空港海上保安庁
最新報告 羽田衝突事故 緊急時 命をどう守る

航空評論家の井上伸一さんは、今回の脱出は客室乗務員が日頃の訓練の成果を発揮できたと思う、パニックコントロールができていた。乗客の協力もプラスになったと思うとした。日本航空の客室乗務員は半数以上が配属から間もなかったが、その分基本に忠実に対応できたとしている。緊急時に備えてできることを紹介。搭乗したら非常口を確認、離着陸時は起きておく、靴を履いておく、騒がず落ち着いて、乗務員の指示に従う。

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日本航空東京国際空港

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