防衛省は来年度予算案の概算要求で、過去最大となる約8兆4000億円を求める方向で最終的な調整をしていることが分かった。7兆7000億円余の今年度の当初予算を大きく上回り過去最大。北朝鮮が弾道ミサイルの発射を繰り返す中、発射の兆候を把握したりミサイルを追尾したりする能力を高めようと複数の人工衛星を連携させて情報を収集するシステム「衛星コンステレーション」を構築するための費用を初めて盛り込む。また、侵攻してきた敵の車両などを攻撃する小型の無人機の取得費用を盛り込むほか、偽情報の拡散といった情報戦に対応するため海上自衛隊に情報技術やサイバー対策などを担う部隊を集約する。防衛費は整備計画に基づいて急速に増えているが、増額を賄うための増税は実施時期が決まっておらず、来月の自民党総裁選挙などでも論点となることが予想される。