海洋酸性化について多くの専門家が警鐘を鳴らしている。二酸化炭素排出量増加に伴い海が吸収する二酸化炭素量が増え、急激に海の酸性化が進んでいる。日本近海のpHは10年あたりで約0.02のペースで低下していた。海が酸性化するとサンゴが炭酸カルシウムの骨を作りづらい環境になり、甲殻類も影響を受ける。海洋研究開発機構の主任研究員、木元さんは、多くの魚のエサになっているミジンウキマイマイの体をX線を用いて撮影し3D画像を作成した。正常な殻と比べると酸性化の影響受けたものは殻が薄くなり、穴もあいていた。木元さんはミジンウキマイマイが減少すると海洋生態系そのものが壊されてしまうと話した。琉球大学の栗原教授は北の冷たい水に棲んでいる生き物ほど酸性化の影響を受ける可能性があると指摘した。白山氏は海洋酸性化が進んだ海水で実験的に育てたカクレクマノミは敵がきたシグナルを送ると敵に向かって泳ぐという異常な行動を起こす、酸性化によって神経系の発育が正常ではなかった可能性があると話した。