これまで300本以上の2時間ドラマに出演し、「2時間ドラマの帝王」の異名を持つ、俳優・船越英一郎。去年10月には40年を超える俳優人生で初めて舞台に出演したが、緊張しいという一面を明かした。父は俳優の船越英二さん、母は元女優の長谷川裕見子さんという環境で生まれ育ち、俳優を目指すのは必然のように思えたが、父親・母親は芸能界から遠ざけようと、1日30分しかテレビを見せない、映画は小学4年生になるまでは見てはいけないなど色々なルールを作った。しかし、禁止されれば禁止されるほど、興味が向いた。最初は俳優より映画監督になりたいという夢を持った。徐々にそれが俳優の方に変わった。しかし、父は芸能界入りを反対。「俳優というのはどこまでいっても人様からいただく仕事だから苦しいぞと言われた」とのこと。父親の反対を押し切り、1982年にテレビドラマで俳優デビュー。しかし、強烈な洗礼を受けた。監督から「お前はヘビか!?」と。緊張して口が乾くため芝居をしながらペロペロ舌を出していた。自分が無意識でやっていることを全部をコントロールしなければいけないと気づき、これは大変な仕事に入ってしまったと感じたという。一方で2時間ドラマとの出会いが。火曜サスペンス劇場が自身が仕事を始めた年に始まった。当時はトレンディードラマブームが起きており、同世代の人たちが見てくれるドラマに参戦したい、2時間ドラマシリーズをいったん全部やめればそこに行けるかもしれないという思いが頭をよぎったこともあるという。船越が大切にしている言葉は「悪くても感謝」。この言葉は母からもらった言葉。ステキなことが起きたら感謝するのは当然だが、何か悪いことが起きても、その全てに感謝する。アクシデント・トラブルを乗り越えると必ず乗り越える前よりも強い自分がいる。強い自分がいるということは、優しい自分も手に入り、ひと回り成長させてくれる。今だからこそ大切にしているのは、自分がこれから向き合う役の人物のことを、深く自分の中で組み立てて造形していく、この作業が長くやっていればなんとなくできるようになるが、初心に帰り、基本としてやっていたことをやり続けていくとしている。竹山は「『悪くても感謝』って深いし良い。そういう生き方しないといけないと思った」等とコメント。