埼玉県深谷市に300年の歴史がある酒蔵を改装したミニシアターがある。その一角に飾られているのが手書きの映画看板。昭和レトロがブームとなる中、注目を集めている。浅香正廣は畳1枚ほどの大きさの布に看板の絵を描いている。構図を決めて背景を塗ったあと人物などを下書きし、アクリル絵の具などで色をつけていく。いちばんのこだわりは顔の表情。1枚を仕上げるのには最大10時間ほどかかる。写実的にしすぎないことが浅香のこだわり。映画館と打ち合わせをして名画や話題作などこれまでに300枚ほど描いてきた。浅香の本業は音楽ライブなどの舞台美術。映画看板はその合間を縫ってボランティアで制作していた。かつて深谷市には映画館が3軒あったが1970年代までにすべて閉館。およそ20年前、再び街に映画館をと地元のNPOの手でこのミニシアターが開館した。浅香は自分も映画館を盛り上げることに一役買いたいと看板の制作を当時の館長に提案した。浅香の思いは若い世代に受け継がれようとしている。中学3年生の小島芽唯は手書き看板の魅力に引かれ去年、弟子入りした。今では1つの看板を任せられるまでに成長した。
住所: 埼玉県深谷市仲町2-25
URL: http://fukayacinema.jp/
URL: http://fukayacinema.jp/