きょうの疑問は「侮辱罪厳罰化『バカ』の代償は?」。今月、法務省は2022年に侮辱罪が厳罰化されてから初めて侮辱罪の刑が確定した事例集を公開。例えばSNSに「なかなか手強いですよ?◯◯はバカなので」と掲載→罰金10万円、インターネット掲示板に「最低最悪。根深い。根っからの犯罪者」と書き込み→罰金30万円など。侮辱罪は2020年に亡くなったプロレスラー・木村花さんがインターネット上で誹謗中傷を受けていたことから見直しの議論が進み、2022年に厳罰化された改正法が施行された。この法改正では3年後に厳罰化がインターネット上の誹謗中傷に適切に対処できているかを検証することが定められており、3年後にあたる今年に有識者検討会の資料として事例集が公開された。インターネット上の誹謗中傷などに詳しい清水陽平弁護士によると、侮辱罪は公然と社会的評価の低下を招くような「バカ」「クズ」などの表現を行った場合などに適用されるとのこと。違反した場合は1年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金などに問われる可能性がある。侮辱罪はインターネット上のみではなくリアルの世界にも適用される。なお「科料」は1万円未満、「罰金」は1万円以上。厳罰化後、有罪となった事例のうちインターネット上の侮辱が全体の半数以上を占めている。金額は悪質性や本人の反省の程度などを踏まえ、検察官が請求する場合が多いという。また、リアルな侮辱と比べインターネット上の誹謗中傷は「デジタルタトゥー」という形で残る事が多く、より重い罰金になることが多い。侮辱罪は「親告罪」のため、被害者が警察署に行って告訴するのが基本。「いつ・どこで・どのような表現をされた」ということが分かる資料が必要となる。