佐世保市にある会社では、6メートルのねじなど社会インフラを支えるねじを生産している。この会社は創業1931年。棒状の金属にローラーで強い圧力を加えねじ山を作る転造という技術を用いていて、緩みやゆがみが起きにくい。しかし今、社長は高齢化が進んだことによる担い手不足を心配していた。転造は熟練の職人技が欠かせないのだ。長崎県では働き手の確保が困難になっているそう。そんな中、社長が期待しているのがフィジカルAIだ。政府は2040年度までにフィジカルAIに10.5兆円の官民投資を実現するとしている。ただフィジカルAIは現場での教育や実証が必要で、実装には5年かかるといわれている。社長は「フィジカルAI導入をやるかやらないか迫られている、ラストチャンス」と語った。一方、新たな産業でもラストチャンスを迎えている。京都フュージョニアリングでは核融合発電の技術実証が行われている。原子核同士を衝突融合させて核融合反応を起こし、地上で太陽の原理を再現することでうまれるエネルギーで発電する次世代の技術だ。世界各国が2030年代の発電実証を目指し技術開発を競っている。京都フュージョニアリングCEOは「エネルギーを取り出して皆さんの手元に届ける技術を開発しているのは世界で我が社だけ」と話す。日本にとって核融合発電は、海水から燃料を無尽蔵に作り出すことができるほか、1グラムの燃料で石油8トン分のエネルギーを生む出す効率の良さも魅力だ。しかし課題の1つは資金。アメリカの核融合ベンチャーの中には5000億円もの資金を集める企業もあるが、京都フュージョニアリングの調達額は162億円程度なのだ。
