天皇皇后両陛下の英国滞在4日目は、今回の公式訪問の中でメインの一日となった。ウィリアム皇太子の出迎えを受けた両陛下。皇后さまは英国到着以来体調を考慮してホテルで休んでいたが、この日初めて姿を見せられた。チャールズ国王とカミラ王妃に迎えられ歓迎式典に臨まれた後、馬車に乗りバッキンガム宮殿へつながる大通りをパレードされた。皇后さまは馬アレルギーのため白いマスクを着用していたが、沿道に集まった多くの人々ににこやかに手を振られていた。その後両陛下が向かわれたのはロンドン中心部のウェストミンスター寺院にある無名戦士の墓。第1次世界大戦中に戦場で命を落とした兵士が眠るこの場所には、国賓として訪れた歴代の天皇も訪問されてきた。両陛下は花輪を手向けたあと、ゆっくりと頭を下げ長い黙とうをささげられた。正装に着替え、国王夫妻主催の晩さん会へと向かわれた両陛下。皇后さまはローブデコルテと呼ばれるロングドレスに、菊の模様のティアラと、一番格式の高い装いで臨まれた。また陛下は今回贈られた英国最高位の勲章「ガーター勲章」を身につけられていた。明治天皇以降5代続けての日本の天皇への授与となる。バッキンガム宮殿での晩餐会の会場に日本人女性2人目の宇宙飛行士・山崎直子さんがいた。山崎さんは2010年に国際宇宙ステーション(ISS)での滞在も経験している。ウィリアム皇太子が設立した環境問題への革新的な取り組みに対するアースショット賞の評議員を務めていることから、晩さん会に招待された。山崎さんは「(両陛下と)会場に入る前にお話をさせていただきまして本当に光栄でした」と話した。またスピーチでは過去の戦争の歴史を踏まえたうえで、戦後、友好親善に努めた昭和天皇と上皇さまの想いにも言及された陛下。一方チャールズ国王は両国の緊密な友情をたたえる中で、ユーモアたっぷりにハローキティの誕生日をお祝いし、陛下が笑われる場面もあった。滞在5日目は日本人若手研究者たちとの交流などを予定。