東京・世田谷区のかっぱは牛の「煮込み」だけで60年にわたって戦ってきた。始めは居酒屋だったが、煮込みの量が祖父の時代に多くなり、他の仕込みができなくなる中で牛煮込み一本に絞ることとなった。1960年頃は値段も50円で、65年の時代を経て850円となった。ドリンクメニューも出されないのだといい、それぞれが黙々と牛煮込みを楽しむスタイルとなっているが、県外から足を運ぶ人もいるのだという。店主の山根さんは狂牛病が流行した2001年にはメニューを増やすことも考えたが、なじみの客が足を運んでくれたおかげで煮込み一本でやることが出来たと振り返った。