熊本地震から10年の節目に航空自衛隊のブルーインパルスが熊本の空で華麗な編隊飛行を披露して復興へのエールを送った。その中の1機を操縦したのは熊本市出身の松永大誠3等空佐(33)。ブルーインパルスは宮城県東松島市の松島基地に所属。国民的な行事でアクロバット飛行を披露するブルーインパルスは時速800キロで飛行し、パイロットには体重の5~6倍の負荷がかかる。機体同士は90センチまで近づくこともあり、繊細な操縦が要求される。松永さんは高所恐怖症で高い所が苦手。普通の飛行機に乗るときは窓側ではなく通路側だという。ブルーインパルスのパイロットを目指すきっかけは熊本地震だった。実家の家族も被災して避難生活を余儀なくされた。地震の翌年にブルーインパルスが熊本の空を飛んだ様子を見て、「ふるさとの力になりたい」と3年前にブルーインパルスのパイロットとなった。先月4日は熊本市役所を訪れて打ち合わせ。熊本城の天守閣も視察して飛行エリアを丹念に確認した。ブルーインパルスのパイロットの任期は原則3年。ふるさとの空を飛ぶのは最後かもしれない。ブルーインパルスの演技の数は50以上あり、何をやるかはその日の天候で組み合わせていく。松永さんは熊本で不死鳥をかたどった隊形「フェニックススローパス」を見せたかった。ブルーインパルスの編隊飛行は11日に行われ、熊本城には約7万5000人が集まった。9年前は復旧工事中で入ることができなかった天守閣や広場にも空を見上げる人たちの姿があった。松永さんが見せたいと話していた「フェニックススローパス」も披露された。
