厚生労働省によると、2023年の職場の熱中症死傷者数は31人。今年は7月だけで188人が死傷していて、過去5年間で最多となっている。労働者をどのように守るのか課題となっている。
都内に住む男性。運送業で働いていた60代の弟が熱中症で倒れ、その後、死亡した。弟が倒れたのは4年前の8月。当時、自動販売機に飲み物を補充して回るトラックの補助員をしていた。主な仕事はドライバーが補充のため車を離れている間、助手席などで待機することだった。しかし会社からはアイドリングストップを徹底するため、車のエンジンを停止し、エアコンを切るよう指示されていた。暑い日が続く中、仕事をしていた弟。8月中旬のある日、勤務後に自宅で意識を失った。搬送された病院で重度の熱中症と診断された。その後、意識は戻ったが、歩行障害や意識障害の後遺症に苦しみ、入退院を繰り返して1年半後肺炎で亡くなった。労働基準監督署は業務による熱中症で死亡したとして労災と認定した。遺族は損害賠償を求めて訴えを起こし、会社側は「熱中症の発症や死亡は業務が原因ではない。車の外や日陰で待機することを認めるなど熱中症の予防に努めていた」などと主張している。弟が最後に働いていた場所を今もよく訪れるという男性。弟の死は防げなかったのか、考え続けている。
都内に住む男性。運送業で働いていた60代の弟が熱中症で倒れ、その後、死亡した。弟が倒れたのは4年前の8月。当時、自動販売機に飲み物を補充して回るトラックの補助員をしていた。主な仕事はドライバーが補充のため車を離れている間、助手席などで待機することだった。しかし会社からはアイドリングストップを徹底するため、車のエンジンを停止し、エアコンを切るよう指示されていた。暑い日が続く中、仕事をしていた弟。8月中旬のある日、勤務後に自宅で意識を失った。搬送された病院で重度の熱中症と診断された。その後、意識は戻ったが、歩行障害や意識障害の後遺症に苦しみ、入退院を繰り返して1年半後肺炎で亡くなった。労働基準監督署は業務による熱中症で死亡したとして労災と認定した。遺族は損害賠償を求めて訴えを起こし、会社側は「熱中症の発症や死亡は業務が原因ではない。車の外や日陰で待機することを認めるなど熱中症の予防に努めていた」などと主張している。弟が最後に働いていた場所を今もよく訪れるという男性。弟の死は防げなかったのか、考え続けている。