佐別當は熱海にファミリー層向けのお試し居住施設を作ろうと周辺住民に説明会に出た。しかし、怒号が飛び交う事態になってしまった。市の持ち物の駐車場は飲み屋や風俗店が密集する歓楽街のど真ん中でそんな場所に都会からファミリー層が来たら商売がやりにくくなると住民は反対した。住民たちの反対の声は高まり計画は頓挫した。この経験から佐別當は、地域の人が主体的に動く形にしなければうまく行かないと痛感した。そこで会員と地域のつなぎ役となる家守というポジションを作り地元の人に任せることに。そして2018年にアドレスは船出した。今佐別當が思い描く家守の理想形を実践する人がいる。平井さんは喫茶店を営みながら、家守をしている。地元の小田原でアドレスの会員に観光案内し、その会員たちと地元住民の交流イベントも定期的に開催し、この日は焚き火大会で飲んで語り会う会を開いた。こうしたイベントを気に入り、再度小田原にやってくる人も。平井さんは小田原に関わる人を増やしたいと考えている。またこうした平井さんのイベントで結婚するなどし移住した人が6人も。シェアリングエコノミーについて佐別當はこの分野で勝負しようと思った理由にインターネットでは人との直接的なふれあいが減っていてしまっていて、インターネットで社会を良くしていこうと思っていたのに逆になってしまっていると感じたという。また熱海で歓楽街にファミリー層を呼び込もうとしたことについては、若い人たちが地方に行けばみな喜ぶと思っていたが夜の世界のことは知らなかったという。また地元の問題は地域の人が活躍・活動しないと地域のお金が循環しないが人口減少などが問題になっているなかで地域の問題は地域で解決できないので、多拠点居住という形で一緒にやっていこうという思いがあるという。地域の活性化は地元の人が主役であるべきだと答えた。