東京・JR秋葉原駅のホームに昔ながらのビンの牛乳と取り扱う売店がある。1日1000本、多い日には2000本の牛乳が売れるという。全国各地から集めたご当地牛乳が揃う。牛乳販売店社長・大澤一彦は「どういう飼料がはいっているのか、割合はどうなのか。それが味に出てくる」と話す。いま全国で酪農家数の減少傾向が続いており、今年度は初めて1万を下回った。長野・安曇野市の牧場で約50頭の牛を飼育している酪農家・太田亨。いまエサ代の高騰が経営を大きく圧迫しているという。円安などにより輸入の配合飼料の価格が大きく上昇している。太田は「今のこの酪農の現状の中で娘に“継いでくれ”とはなかなか言いづらい」という。大澤は年1回、無料で牛乳を飲み比べ人気投票を行うイベントを行っている。「“牛乳とはおいしいもの”とお客に案内する。人から人への情報が一番大きなものになるのではないか」と話す。