この日、クロ兵衛はボブに圧をかけまくっていた。クロ兵衛は7カ月前に坂上忍がTNRを行い、餌やりをしているうちに、人間に慣れてきたため、譲渡を目指して再捕獲した男の子。クロ兵衛はペ50と仲が良く、2匹ともエイズ陽性だった。猫エイズは発病しないことも多く天寿を全うする子も多い。猫同士での感染の可能性があるため、隔離生活をする必要がある。また、坂上忍はキャリア棟をより楽しい空間にするため、キャットランをベランダに作った。その後、ペ50が新たな家族のもとに巣立ち、キャリア棟にはクロ兵衛一匹になった。
ひとり暮らし3カ月、クロ兵衛の里親希望のお話がきた。里親候補は1匹の先住猫と暮らす午来さん一家。午来さん一家はペ50の里親でもある。ペ50は明日家と名付けられて可愛がられている。また、クロ兵衛は幸汰と名付けられ、譲渡決定となった。