高レベル放射性廃棄物、いわゆる核のごみは長期間強い放射線を出し続けることから地下300メートルより深く埋めて最終処分することになっていて、最終処分地の選定に向けた調査は北海道の寿都町と神恵内村で行われているほか、佐賀県の玄海町でも始まっている。こうした中原子力規制庁は最終処分の安全確保に必要な規制基準の策定に向けた研究費として3億2000万円を来年度予算案の概算要求に盛り込む方針を固めた。具体的には核のごみに含まれる放射性物質の容器を長期間使用した時の安全性や、最終処分による被ばく線量の評価について研究することにしている。最終処分の規制基準は政府の基本方針で原子力規制委員会が整備することとされていて、予算案に研究費が盛り込まれるのは初。原子力規制庁はこのほか災害時にも原発周辺の放射線量を把握するための体制強化や、航空機を用いたモニタリングシステムの運用費などを概算要求に盛り込み、今年度当初予算費より143億円多い、総額707億円を計上する方針。