英国訪問5日目、陛下がまず足を運ばれたのは、がんや感染症などの研究を行っているヨーロッパ最大のフランシス・クリック研究所。陛下は、細胞の周期について顕微鏡で観察され、日本人研究者からがんの基礎研究について説明を受けられた。その後向かわれたのは、チャールズ国王が総長を務め、世界屈指の音楽学校として知られる王立音楽大学。最先端の音響技術を備えるホールで、日本人留学生らによる演奏を鑑賞された。長年ビオラを演奏されるなど、音楽と深く関わってこられた陛下。王立音楽大学では、ビオラの演奏に笑顔で拍手を贈られた。日本時間の午後3時すぎ、晩さん会に出席された陛下。スピーチで明かされたのは、留学時代のエピソードだった。陛下は、留学当初は、英国通貨の扱いに慣れておらず、紙幣を使いすぎて、重たい硬貨ばかりが手元にあった、財布からすべて落としてしまったとき、周りにいた人々が拾ってくれて、イギリスの人々の優しさに驚いたなどと話された。会場には、花で作られた日本国旗が飾られ、メニュー表には、菊の御紋が使われるなど細やかなおもてなしがあった。これまでの晩さん会や訪問先でも数々の英国流のおもてなしが隠されていた。