アメリカ大統領選に勝利したトランプ氏。バイデン政権が進めてきた気候変動対策を抜本的に見直すとみられている。直後に開かれた気候変動対策の国際会議「COP29」では、アメリカの先行きを不安視する声も。現地で日本政府代表団は、JAXA開発の人工衛星「GOSAT」を紹介。温室効果ガスの観測を専門とし、その技術を他国に無償提供するという。これを使い、環境省・国立環境研究所はメタン濃度など調査。結果、ロシアやインドなどでは公表値よりも高いメタン排出量があると判明。
オランダ宇宙研究所では、複数の衛星データを駆使して世界各地のメタンの排出源を突き止めようとしている。排出量が特に多い施設は「スーパーエミッター」と呼ばれ、世界各地に2300件存在。注目は石油・天然ガス産業の関連施設。全米の天然ガスの2割を生産するパーミアン盆地の施設では、メンテナンス時に多くを排出。行政機関に報告せずに行っていれば法令違反。意図せず漏洩しているケースも。番組の取材に、担当者は応じず。
メタン排出量が特に多い施設は「スーパーエミッター」と呼ばれ、世界各地に存在。その観測を独自に行なっている団体「環境防衛基金」では、最新観測装置を搭載した航空機で全米の施設を上空からモニタリング。結果、排出量は国の試算値の4.5倍以上に上ることが明らかに。アメリカでは規制当局による対策もあったが効果が見られず、規制の網をくぐるような事案も。トランプ次期大統領は規制に反対の立場で、これを支持する国民も多い。
トランプ氏の再選でさらなる停滞が懸念される気候変動対策。企業にとっても気候変動対策は大きな課題に。注目は「カーボンクレジット」。CO2を排出する企業が森林保護プロジェクトの運営者に資金を提供することで、その額に応じて自社の排出量を相殺する仕組み。その効果が水増しされている例も多く、FIFAワールドカップでも「相殺できる証拠を提示していない」と勧告されたことが。オランダでは違法判決が下った例があるなど、「グリーンウォッシング(見せかけの気候変動対策)」として批判する声も。
効果が水増しされる事例が相次いでいる「カーボンクレジット」の制度。世界的な認証機関がお墨付きを与えていた例も。そのトップは、番組の取材に対し「来年からはプロジェクト運営者任せにせず自分たちの関与を強化する」という方針を明らかにした。
カーボンクレジット制度を巡る問題。森林保護プロジェクトにより先住民族の土地が奪われる事例も。ペルーでは、ある民族が生活基盤にしていた森に突然政府により国立公園が設置され、カーボンクレジットの対象地域になった。先住民族は森での自由な活動を禁じられ、現地では業者と先住民族の間で衝突が起こるように。所管するペルー環境省の担当者は、番組の取材に「これまでの方法論を見直すべき時期」「現在、新たな協定を結ぼうとしている」など応じた。
世界中で相次いでいる「見せかけの気候変動対策」のリスクについて。日本でもカーボンクレジットについてセミナーが開かれ、環境経営に取り組む50社以上が参加。専門家は「何もしないことのリスクを認識するほうが重要」「カーボンクレジットを使う場合、実際に効果が出ている案件を目利きしていくことが必要」など話す。
今週まで開かれていた気候変動対策の国際会議「COP29」。議論が紛糾し、会期は2日延長。「見せかけの対策」をやめるよう訴える団体による抗議活動が行われたり、メタン排出の調査を続けるNGO団体なども参加。団体は、主なメタン排出源をネットに公開すると発表。
オランダ宇宙研究所では、複数の衛星データを駆使して世界各地のメタンの排出源を突き止めようとしている。排出量が特に多い施設は「スーパーエミッター」と呼ばれ、世界各地に2300件存在。注目は石油・天然ガス産業の関連施設。全米の天然ガスの2割を生産するパーミアン盆地の施設では、メンテナンス時に多くを排出。行政機関に報告せずに行っていれば法令違反。意図せず漏洩しているケースも。番組の取材に、担当者は応じず。
メタン排出量が特に多い施設は「スーパーエミッター」と呼ばれ、世界各地に存在。その観測を独自に行なっている団体「環境防衛基金」では、最新観測装置を搭載した航空機で全米の施設を上空からモニタリング。結果、排出量は国の試算値の4.5倍以上に上ることが明らかに。アメリカでは規制当局による対策もあったが効果が見られず、規制の網をくぐるような事案も。トランプ次期大統領は規制に反対の立場で、これを支持する国民も多い。
トランプ氏の再選でさらなる停滞が懸念される気候変動対策。企業にとっても気候変動対策は大きな課題に。注目は「カーボンクレジット」。CO2を排出する企業が森林保護プロジェクトの運営者に資金を提供することで、その額に応じて自社の排出量を相殺する仕組み。その効果が水増しされている例も多く、FIFAワールドカップでも「相殺できる証拠を提示していない」と勧告されたことが。オランダでは違法判決が下った例があるなど、「グリーンウォッシング(見せかけの気候変動対策)」として批判する声も。
効果が水増しされる事例が相次いでいる「カーボンクレジット」の制度。世界的な認証機関がお墨付きを与えていた例も。そのトップは、番組の取材に対し「来年からはプロジェクト運営者任せにせず自分たちの関与を強化する」という方針を明らかにした。
カーボンクレジット制度を巡る問題。森林保護プロジェクトにより先住民族の土地が奪われる事例も。ペルーでは、ある民族が生活基盤にしていた森に突然政府により国立公園が設置され、カーボンクレジットの対象地域になった。先住民族は森での自由な活動を禁じられ、現地では業者と先住民族の間で衝突が起こるように。所管するペルー環境省の担当者は、番組の取材に「これまでの方法論を見直すべき時期」「現在、新たな協定を結ぼうとしている」など応じた。
世界中で相次いでいる「見せかけの気候変動対策」のリスクについて。日本でもカーボンクレジットについてセミナーが開かれ、環境経営に取り組む50社以上が参加。専門家は「何もしないことのリスクを認識するほうが重要」「カーボンクレジットを使う場合、実際に効果が出ている案件を目利きしていくことが必要」など話す。
今週まで開かれていた気候変動対策の国際会議「COP29」。議論が紛糾し、会期は2日延長。「見せかけの対策」をやめるよう訴える団体による抗議活動が行われたり、メタン排出の調査を続けるNGO団体なども参加。団体は、主なメタン排出源をネットに公開すると発表。