サモア戦で5本成功させ正確なキックで勝利の立役者となった松田力也選手。その松田選手はチリとの初戦でも6本のキックを成功。さらに2戦目のイングランド戦でもキックを決め、2試合を通じて10本のキックすべてを成功させた。松田選手のポジションは背番号10のスタンドオフ。キックを任されることの多いポジションとなっている。日本代表の歴代キッカーといえば2015年ラグビーW杯で58得点をあげた五郎丸歩選手。さらに前回大会ではキックのみで得点ランキング4位となった田村優選手など名キッカーがつねに日本代表を支えてきた。松田選手は前回大会代表メンバーだったが田村選手の控えで、キックを蹴ったのも1回のみと悔しさの残る大会となっている。レギュラーを目指す松田選手だったが去年5月、左膝前十字靭帯を断裂しW杯出場が危ぶまれた。それでも松田選手はケガからわずか3カ月でボールを蹴られるまでに回復。砂場でのトレーニングで膝への負担を軽減し太ももの筋肉を鍛え続けた。その結果7カ月で実践に復帰し国内リーグではキック成功率85.5%と復活を果たしベストキッカー賞も受賞した。ワールドカップの直前合宿ではチーム練習後も居残りでキックを練習、W杯では3試合連続で背番号10を背負いキックでチームの勝利に貢献した。