福井・越前市の療養病床専門の病院は、30の病床を抱え、高齢者を中心に慢性的な病気を抱える人たちの治療に当たっている。池端幸彦院長は、人生の最期に向けてどう過ごしたいかという思いを大切にしている。取材3日前に入院した男性は、認知症が進み、肺炎により食べ物が飲み込めなくなっていた。妻と意思疎通するのも難しい状態。池端院長はかかりつけ医として夫婦とは20年来の知り合いで、患者・家族の意向を踏まえて今後の方針を検討する。病院で医療的ケアを続ける方針を確認した。この病院では患者を希望する場所に帰す取り組みをしている。退院にあたっては、退院後の生活を支援するために退院前カンファレンスを行う。95歳の横井豊子さんは心臓の病気を抱え、定期的な診察を受けながら暮らしている。趣味のパズルをしながら過ごすのが日々の楽しみ。72歳の藤井和夫さんも2年前に退院し、難病の治療を受けながら自宅で暮らしている。