いよいよパレードが始まるロンドンの朝。沿道では厳重な警戒と準備が進められていた。8日間の日程でイギリスを公式訪問されている天皇皇后両陛下。国賓としての公式行事、歓迎式典・晩さん会までのメインの一日が始まろうとしている。日本と英国の国旗が掲げられているバッキンガム宮殿に繋がる大通り。両陛下が歓迎式典に臨まれた後、馬車でパレードを行う場所。現地では朝から既に場所取りをしている人もいた。この道は歴代の天皇もパレードで通ってきた道。天皇初の外国訪問となった1971年の昭和天皇の英国訪問。しかし、馬車に向かって何かを投げつける人の姿が。第二次世界大戦の終結から26年経っていたが、多くの兵士が捕虜となった英国では日本に対する厳しい視線が残っていた。1998年に上皇さまが訪問された際は沿道に集まった多くの人に歓迎され、盛り上がりを見せていた。ただ、戦争のわだかまりはこの時もまだ残っている。上皇さまが通る際、日本軍の捕虜になった人が背を向けて並び、抗議の気持ちを表す様子が見られた。また、過去には英国王室が日本を訪れた際、パレードが行われたことも。