相模原市消防局が職員向けに開いた研修会で山林火災の延焼予測ができる新たなシミュレーターがお披露目された。出火点を打ち込むと時間の経過とともに延焼が拡大していく様子が再現される。現場に生育する植物の種類もあらかじめ落とし込んである。火の手が黄色の草地まで差し掛かると延焼のスピードが急に上がる。山から出た火の手が市街地まで燃え広がっていく様子が一続きで確認でき、先回りして消火活動を行うことに役立つ。導入のきっかけは4年前に栃木県足利市で起きた山林火災だった。市の面積の約70%が中山間地の相模原市でも危機感が高まり、対策としてシミュレーターを開発した。市街地へのえんを食い止めるにはどうすれば良いのか。消防隊員たちは市街地と山間地が接する地区に出向いて実際にシミュレーションを起こなった。山の中腹に出火点を打ち込み、風向き、風速などを入力する。実際の現場と見比べながら市街地までどのように延焼していくのか確認する。どの場所にどのくらい消防隊を配置すれば延焼を早期に食い止められるのか意見を出し合った。新たなシミュレーターを住民の日頃からの備えにも役立てようとしている。山間地に近い地区の住民たちが集まり危機感を共有していた。実際にどうやって避難すれば良いのか、延焼予測を参考に最適なルートを話し合う。高精度な延焼予測で被害の拡大を防ぐ取り組みが始まっている。