1995年1月17日、阪神・淡路大震災が発生し神戸の街に壊滅的な被害をもたらした。王子動物園には遺体安置所が設けられ悲しみに暮れる遺族が訪れた。飼育員の兼光秀泰はその光景がいまも脳裏から離れないという。震災から5年後の2000年7月16日、神戸の人たちを励ますため中国から2頭のパンダがやってきた。2頭の世話は兼光秀泰ともう1人の飼育員に託された。2人ともパンダの飼育経験がなかった。パンダは中国からの借り物、ミスがあれば国際問題にもなりかねない。7月28日、一般公開が始まり、パンダを見ようと大勢の市民がやって来た。2頭の名前は市民からの公募でコウコウとタンタンに決まった。長年、精神科で看護師をしている四方叔子。震災後、心の傷が癒えない多くの被災者を間近で見ていた。震災前は証券マンだった倉本洋。地震で自宅を失ったショックで仕事を続けられなくなった。偶然訪れた王子動物園でタンタンに出会った。2頭のパンダは神戸市民の希望の星となった。一方で兼光たちには大きなプレッシャーがのしかかっていた。タンタンとコウコウの赤ちゃんを誕生させる。中国との約束でパンダの繁殖にも取り組むことにもなっていた。8年経っても赤ちゃんは生まれない、兼光は研究を行うため飼育担当を外れた。代わりに飼育を託されたのがやる気に満ちた梅元良次だった。2008年8月26日、赤ちゃんパンダが誕生した。しかし4日目、赤ちゃんは息を引き取った。2年後、オスのコウコウが急死した。
住所: 兵庫県神戸市灘区王子町3-1
URL: http://www.ojizoo.jp/
URL: http://www.ojizoo.jp/