有田焼や瀬戸焼など全国で作られる陶磁器の売り上げは減少が続き、この20年でおよそ6割落ち込んだ。産業の衰退が懸念される中焼き物を次の世代につなぐ新たな取り組みが始まっている。東京・神楽坂で去年8月にオープンしたイタリアンレストラン「リエール」。シェフの阿部淳樹さんが運んできたのは新しい料理皿。この日届いたのは6種類25枚。この店では伝統工芸の器を定額で借りられるサブスクリプションサービスを利用したという。月額3万3000円で最大30枚まで利用できる。外食業界では、原材料費や人件費の高騰が続く中コストを抑えながら、付加価値を高める工夫が求められている。このサービスを立ち上げたの「カルチャー・ジェネレーション・ジャパン」の堀田卓哉さんは全国50以上の工房から器を購入し自社サイト「クラフタル」に掲載。現在およそ100店舗のレストランや料亭が利用している。代表の堀田さんはこれまで、いい器を作っているのに、世に知られず、消えていく窯元を数多く見てきた。「このままでは使われないまま終わってしまう」という危機感が、このサービスの原点だと語った。レンタル後にも購入につながるケースも増えていて売り上げはサービス開始当初から3.5倍に増加。買われずに眠る器を使われる器へ、いま新たな流れが生まれている。
