今月初め、1ドル162円目前まで迫った円相場。しかし先週木曜日、1ドル157円台まで円高が進んだ。政府日銀による為替介入があったとみられている。実は先週の介入とみられる動きにはこれまでと大きく異なる点があった。2年前から続く日本の為替介入は相場が円安に加速した局面で行われた。しかし先週は逆に相場が円高に動き始めた時に後押しするようなタイミングで実施されたとみられる。神田財務官の脳裏には、これまで円安で儲けてきた投機筋に一泡吹かせる狙いがあった可能性がある。かつて英国ではヘッジファンドが通貨ポンドに売りあびせを仕掛け、中央銀行が介入で対応したが最後は投機筋が勝利し「ポンド危機」へとつながった。今回円高への流れを作った日本政府。このまま投機筋は大人しくなるのか。