- 出演者
- 池上彰 宇賀なつみ バカリズム 林修 斎藤ちはる 坂下千里子 伊集院光 ビビる大木 谷まりあ 大友花恋 伊沢拓司 大久保波留(DXTEEN)
今回は「林修の今知りたいでしょ!」「池上彰のニュースそうだったのか!!」コラボSP。
VRを活用した最先端手術を紹介。データをもとに3D化した臓器を確認しながら手術できる。この「HoloEyes」を開発した杉本医師は切る位置を確実に確かめながら手術ができるようになったと話した。若手医師などの育成にもメリットがある。現在は医大生や研修医がリモートで手術現場に参加することもある。スタジオで手術に使うVRデータを体感した。
1996年にクローン羊のドリーが誕生し、クローン人間もできてしまう、倫理的にどうなんだなどの議論を巻き起こした。上海で行われたペットフェアアジアではクローン犬が販売された。販売会社はペットが亡くなって立ち直れない人を救うために事業を始めたと話した。もとの犬の皮膚細胞を採取し培養してDNAを取り出す。メスの卵細胞から殻を取り除いてDNAの細胞核を入れ、別のメスの子宮に移植し成功すると2か月でクローン犬が誕生する。
マンモスのクローン研究を行ってきた近畿大学・三谷先生が解説。技術的には人間のクローンは可能だが、ほとんどの国が禁止している。中国ではクローン猿を誕生させて話題になった。約200個の卵子を使って2匹が誕生した。DNAがマッチするかは動物によって成功率が変わる。クローンからのクローンは代を重ねるとミスマッチが蓄積し生まれにくくなる。
中国ではクローン技術で絶滅危惧種のホッキョクオオカミが生まれた。サンディエゴでは動物園の中に絶滅危惧種などの細胞を保存する施設がある。冷凍保存した細胞からイタチのクローン誕生に成功した。近畿大学和歌山キャンパスでは約2万8000年前のマンモスの筋肉を保存している。シベリアの永久凍土で発掘された。マウスの卵子の中にマウスの細胞核を注入し卵子を培養すると、マンモスの核の周りに紡錘体があらわれた。約2万8000年前のDNAが生命活動を再開し、分裂直前まで変化した。発掘されたマンモスにはヒトがさばいた痕があったという。アメリカではゾウとマンモスの遺伝情報を比較して寒冷地仕様の遺伝子を見つけ出し、それをゾウの中に入れ替えてマンモスっぽいゾウを作る研究が進んでいる。DNAは何百年経つと消滅するため、恐竜はDNA自体が消えてしまっている。
横浜国立大学では髪の毛を無限に増やすことができる技術を研究している。少量の本数から無限に髪の毛を増やすことが可能。髪の毛から採取した2種類の細胞を特殊な液を使って培養。クローン技術をほどこして細胞を増やす。手術などで生えなくなった部分などへの応用も考えている。
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再生医療の今を紹介。大阪大学では心不全の人を助けるためiPS細胞から心筋細胞のシートを使っている。今まで重度の心不全だと心臓を移植する方法がとられていたが、心筋シートを使えば機能の回復が期待できる。すでに8人が治験を受けている。シートが生着すると新しい血管が作られて一体化する。スタジオの清水先生は治験で使っているiPS細胞は安全なので安心してほしいと話した。
再生医療は角膜の場合は約1000万円だが、高額医療費制度があるため実際の負担は数十万円。大量に培養できれば様々な人に使えるため価格を抑えられる。
再生医療で作られたハムは1枚15万円。値段を安くするため世界中の研究者が頑張っており、将来数百円程度で販売できるようになるかもしれないという。清水先生は月面や宇宙船の中では細胞を培養して食料を作ることが試みられていると話した。
2009年に手術支援ロボット「ダビンチ」が開発されてから15年、現在は触覚機能を搭載した「Saroa」が登場した。スタジオでSaroaの操作を体験した。手術のときには柔らかさの感覚が大事。ロボットアームに加わった力を空気圧で計測し、コントローラーのモーターが強弱を伝えている。
千葉西総合病院の最新施設ではスーパードクターが6人同時に手術している。司令室の中央にいるのは三角院長が6つの手術室に指示を出していた。司令室と手術室は同じ画面が映っていた。6人同時手術を成功させたことで三角院長の専門であるカテーテル手術の治療は全国1位の年間3000件以上になった。最新治療はメスを入れずに術後すぐに会話ができ、歩くこともできる。固まったコレステロールなどを衝撃波で破く手術もある。
2020年、新型コロナ感染でがん検診を受ける人が減少した。今はAIによる最新胃カメラシステムが開発された。AIが画像を判別してがんの疑いを判定している。国内120以上の病院から提供されたがんとがんではない画像と情報をAIが学習している。東京医科大学の落合先生はあくまでAIは支援技術で実際は医師が診断を下す、胃がんは熟練のドクターじゃないと見逃しが起こることもあるのでAIがサポートすると話した。池上はそもそも胃カメラを世界で最初に実用化したのは日本で世界シェアの9割が日本と話した。
検査キットに唾液を入れて送ると、がんの代謝物の量で6種類のがんのリスクがわかるサリバチェッカーが登場した。がんの種類ごとに唾液をAIが比較し、種類別のリスクがわかる。
手軽ながん検査の信頼性の精度についていま問題になっている。落合先生は科学的根拠がないのに「がんがわかる」と謳った検診もあるため安くても注意する必要があると話した。
今回は「林修の今知りたいでしょ!」「池上彰のニュースそうだったのか!!」コラボSP。谷まりあは林の現代文を受講して偏差値が上がったと話した。
現在高校卒業後の進路で大学等と答えた人はは60.8%。少子化で学校の数は減っているが大学だけは増えており、選ばなければ全員が入学できる時代になった。浪人生の割合も減っている。大学は特に地方で増えている。学費を安くして学生を呼ぶため、地域を活性化したい自治体が私立大学を救済して公立大学にしている。文部科学省は大学が破綻した場合、学生をどこで引き受けるかという対策も検討している。
大学の授業料、入学料は国立大学、公立大学、私立大学いずれも増えている。1970年度の国立大学の年間授業料は年間1万2000円だった。今は奨学金をもらっている学生は半数以上。欧米の奨学金は返済の必要がない。池上は日本の奨学金は返済が必要な学費ローンだと話した。ただ日本でも給付型奨学金の比率を高めようとしている。
国立大学は国からもらえるお金が減少。それぞれの国立大学が独立して経営している。東京工業大学は東京医科歯科大学と統合して東京科学大学に名前が変わる。他にも多くの大学が統合している。医工連携という形で工業大学が開発したものを医療現場で生かすこともできる。