宮若市のコメ農家・安河内豊孝さんは約20ヘクタールの田んぼでコメを栽培している。暑さ対策として行っているのは水の入れ替えで、田んぼの温度が上がりすぎないよう1日に何度も水を入れ替えている。さらに通常より5cmほど深く耕して温度の低い地中深くまで根が伸びるようにしている。連日のように暑い日が続く中でコメの品質に変化が出ている。コメは高温が続くとデンプンが不足し白く濁り割れやすくなる。味にさほど影響は無いが割れてしまうと食用としては流通できなくなる。暑さに強いコメを作ろうという取り組みも行われている。筑紫野市にある福岡県農林業総合試験場では約30年前から気温が高くても品質が落ちない高温耐性品種と呼ばれるコメの研究を進めてきた。何千という品種をかけ合わせこれまでに3種類の高温耐性品種を市場に出すことに成功している。この研究所では新たな取り組みとして、今後更に暑くなることを見越してより過酷な環境を作り出そうと特殊な農業用ハウスを建て、新たにかけ合わせた250の品種が植えられている。この中から暑くても品質を保てるものを選抜する。昼間は窓が開いており外と気温が変わらないが日が沈むのに合わせて密閉される。重要なのは夜の気温で、これまでの研究からコメは夜の気温が高いと品質が下がる傾向があるためあえて夜の気温を高く保ち過酷な状況を作っている。外の田んぼと比較するとハウス内は約2℃高い環境となっている。試験場の高田元気さんは、10年後もっと暑くなることを想定して、その気象条件でも安定しておいしいコメがとれるような品種を開発していきたいと話した。
住所: 福岡県筑紫野市大字吉木587
URL: http://farc.pref.fukuoka.jp/
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