科学研究費助成事業とは国が公募した研究に対して応募した研究者に資金を支給するというもの。この資金が科学研究費補助金、科研費と呼ばれるものになる。今回複数の学会連合はこの科研費の増額を国に求めた。こうした研究費は大学からの研究費などが挙げられるが、近年では減少傾向にある。そんな中、国が求める研究を行うための競争的資金は増加傾向にある。こうしたバランスが良くないということを学会連合は主張、自由な研究ができないとしている。国は実用化が近いような研究に出資する傾向が強まり、2004年に国立大学が法人化されて以降、基礎的な研究に使用できる科研費・運営費交付金は減少系にあり、20年間で13%減少している。こうした「選択と集中」は上手くいっているとは言い難く、引用回数の多い論文の世界ランキングでは日本は90年代が3位だったのに対して現在は13位、日本が行った選択と集中が上手くいっていないと言える。もちろんすぐに結果が出にくい研究への投資は簡単ではないが、基礎研究が将来のイノベーションにつながる場合もある。