販売価格が高くても収穫がなければ収入ゼロ。京都・舞鶴市の創業90年の「まるもと米穀」では今年3月コメの営業を完全に停止。営業収入はない状況となっており備蓄米も回ってくる気配はないという。まるもと米穀の松本さんによると備蓄米は入札者に偏りがあったり大手にコメが流通したりで小売店は優先順位が低く手に入りづらいという。スーパーや小売店でコメが流通しづらくなっている背景には他にも事情がある。それは、農家さんが個人販売をするなどしているため。コメの価格はJAなどにいれるより道の駅などで個人販売するほうが高値で売れるという。「童謡のふる里 おおとね」では月1回1家族あたり5キロまで玄米1キロあたり750円で販売しているが数日で完売するという。そんな状況の中、米農家さんには田植えの段階で業者さんから購入の話しが来ているという。コメ農家の廃業は去年過去最多の89件とされており、田んぼが余っているため担い手さえいえれば農地の拡大も可能だというがそれだけで生活できるかがカギとなる。後継者不足で使われなくなった田畑を借りて新しいスタイルの大規模農業を試みる注目の集団がある。それは、9年前に設立した「中森農産」。GPSを活用し自動走行する田植え機など最新技術を使ったスマート農業で約330ヘクタール・東京ドーム70個分の農地を25人で効率よく管理している。日本の農家の平均年齢は69.2歳、これに対し中森農産の平均年齢は30歳だという。中森農産では農業の年中無休のイメージを覆し1日8時間・週休2日で有給消化制度もある。作業効率のカギはAIアプリ。全国約1500か所ある田畑をアプリ登録し従業員は全員どこからでも情報共有できるようになっている。中森農産が見据えるのは日本の若者が農業を始めたくなる未来。コメ高騰のニュースについて、生産者の努力の限界を超えていると話し、小売店で3000円から3500円が適正価格だと考えており4000円を超えると輸入米に負けてしまうとコメント。
住所: 埼玉県加須市佐波258-1