柔道には体重制という概念はなかった。柔道が正式種目となった1964年東京五輪から階級ができた。女子の無差別級に挑んだ48キロ級金メダリスト角田夏実の1回戦、相手は90キロ。パワーでまさる相手に攻め勝つと、続く2回戦も23キロの体重差を覆しベスト16進出を果たした。来週火曜に行われる男子の全日本選手権の一番の話題は、男子66キロ級オリンピック連覇の阿部一二三の初挑戦。大きな意義をもたらす反面、ケガのリスクもあり階級が上の選手との戦いは簡単ではない。今回最も過酷な戦いに挑むのが、60キロ級銅メダリスト永山竜樹。今大会最小156センチ65キロで、最重量の入来とは約100キロ差。無差別級の戦いで伝説となっているのが、1994年の78キロ級金メダリストの吉田秀彦の準決勝。44キロ差の絶対王者を破り、準優勝となった。