東京千代田区の日本棋院で午前10時から囲碁の対局が始まった。左に座る杉内寿子八段は97歳で、相手は53歳の森田道博九段と、年の差44歳の公式戦対局となった。杉内八段は1927年3月6日生の97歳1ヶ月5日で、この対局で最年長対局記録を更新した。1927年は大正天皇の大喪儀が行われた年だ。15歳でプロ入りした1942年は、太平洋戦争が始まった3週間後の戦時中だった。昭和時代には女流選手権で4連覇、平成になっても女流名人戦4連覇を果たしている現役最年長棋士だ。これまでの最年長対局記録は7年前に亡くなった夫の杉内雅男九段の97歳と13日の記録。夫の持っていた記録を1ヶ月更新したことになる。対局結果は森田九段に敗れ、最年長勝利記録は持ち越しとなった 。