寺を訪れた外国人女性。彼女のお目当ては「算額」と呼ばれる大きな絵馬である。算額に描かれているのは難しい数学の問題と答えである。江戸時代、数学の難問を「和算」と呼ばれる日本独自の数学で解いていたという。その問題と答えが絵馬として残っていた。この算額に夢中になったのがドイツ出身の思想史学者であるアントニア・カライスルである。日本の算額文化の価値観や考えを研究しており、今研究のために行っているのはひたすら日本全国を巡り算額を記録すること。研究は途上だが見えてきたものがあった。算額に込められた日本人と数学の知られざる関係を解き明かす。ドイツ人学者の研究の旅に密着した。