再開発が行われる築地市場跡地の隣にある築地場外市場は戦前から場内市場を補うように形成され料理人のプロからも信頼を得て人気を集め今では国内外から大勢の観光客が集まる。場外市場の店で作る協議会の理事長、北田喜嗣は祖父の代から続く水産卸売会社で専務を務めている。再開発の動きが進む中、協議会は築地の注目がさらに高まる中、場外市場の町並みや食文化を残していこうと新たに出店する店を対象にしたガイドラインを取りまとめた。ガイドラインは地元の中央区が定めた要綱で認められ出店する場合、業種や店のデザインなどを協議会と事前に相談する必要がある。客が納得する適正価格で商品を提供することや客の安全を確保するため道路に看板を設置しないなど築地で商売をするうえでの心構えやマナーについても記されている。北田理事長は再開発が進んでも80年以上にわたり場外市場が紡いできた食のまちとしての価値観は大切にしたいと考えている。再開発は来年度から一部の施設で着工し、スタジアムを含む多くの施設は2032年度に整備を完了させる予定だとしている。再開発に伴って築地は変わっていくと思うが地元とコミュニケーションをしっかりと図りながらどうやってこれまでの伝統や文化を残していくのかにも注目していきたい。