米国みずほ証券・兼松渉さんの解説。Amazon.comのプロジェクト、カイパーに注目している。人工衛星を使った通信サービスで、これまでブロードバンドサービスの圏外であった人々にもインターネットのアクセスを提供するもの。アマゾンは試験衛星の打ち上げをすでに成功させていて、今年の10月期−12月期から本格的な打ち上げを始め、来年にはサービスが開始される見通し。将来的にはテスラが手掛けるスターリンクのライバルとなることが見込まれている。世界経済フォーラムのデータによると、世界でインターネットへのアクセスがない人口は約26億人とされており、そのビジネスのポテンシャルは大きいと見ている。将来的にはこういったサービスがプライム会員の特典に織り込まれ、アマゾンにとってはインターネット小売やクラウドのAWS、そして広告事業に次ぐ4つ目のビジネスに成長することも予想される。アマゾンの目先の業績を占う上では不安材料でもある。アマゾンはむこう数年間で約100億ドルの先行投資を行うとの見通しを示している。将来的にこのプロジェクトの営業利益がトントンになるのは、2029年となると予想している。