重ね塗りをすると光を帯びてつややかな色になる紅の秘密を取材。赤の天然色素・紅花の生産量日本一の山形県。早朝から花びらの摘み取り作業が行われていた。鋭いとげを持つ紅花は、収穫のタイミングが重要。この辺りは川霧や山霧が発生しやすく、朝露をまとったとげは少し柔らかくなり、作業がしやすくなる。紅花の花びらの色素はほとんどが黄色だが、赤の色素も1％含まれている。水に溶けやすい黄色い色素を取り出し、発酵させることで赤みが強くなっていく。手間暇かけて作られる貴重な紅の染料「紅餅」は、伝統技法で口紅や染め物へと加工される。これらの加工技術や栽培方法は、約450年もの間変わらず受け継がれている。きれいな和菓子も紅が使われている。