小林製薬が公表した最新のコーポレートガバナンス報告書によると、これまで取締役会の議長を務めてきた小林一雅氏が代表取締役会長を辞任して特別顧問に就任したことに伴い、社外取締役が議長に就いたとしている。小林製薬の紅麹の成分を含むサプリメントを巡っては、会社が健康被害が疑われる事例を把握したあとも、社外取締役への報告や公表が遅れたことが問題となっていて、取締役会の議論をリードする議長を、社外取締役が務めることで、執行と監督の分離を進め、ガバナンスの強化につなげるねらいがあるものと見られる。また、報告書では、特別顧問に就いた小林一雅氏の報酬が月額200万円で、任期が3年であることも明記されている。小林氏の報酬は、通常の顧問の4倍に当たり、コーポレートガバナンスの観点から、会社の対応を批判する声も出ている。