『月ぬ走いや、馬ぬ走い』は沖縄戦から現代までを14人のモノローグで構成した群像劇。作者は現役の大学生・豊永浩平さん。野間文芸新人賞と群像新人文学賞を受賞した。豊永さんは2003年に那覇市に生まれた。戦争を知らない自分に沖縄戦を書く資格があるのか葛藤もあったという。一方で、沖縄で生まれ育った豊永さんにとって戦争は遠い存在でもなかったという。向き合う覚悟を決め、構想を練るなかで祖父が93歳で亡くなった。豊永さんは「90年分の記憶を継承する手立てが小説の中にあれば自分なりの“おじいへの応答”になる」と話す。