映画「室町無頼」の時代背景を紹介。原作は直木賞作家・垣根涼介の同名小説。あまり描かれることのなかった室町時代・応仁の乱前夜の京都が舞台。鎌倉幕府が滅亡し、足利将軍が国を治めていたが、応仁の乱をきっかけに戦国時代となる。応仁の乱前は幕府・守護大名・寺社・朝廷すべてが京都に一極集中していたが、飢饉と疫病により、2ヵ月で8万人以上が飢えて亡くなったといわれる。庶民は何重もの税に苦しめられ、武家や商人も没落し、夜逃げ・一家離散・人身売買が横行、街には遊女や孤児が溢れた。金が全ての格差社会となり、京都には地獄のような光景が広がったが、権力に闘いを挑む者も登場し、日本の歴史が大きく変わろうとしていた。室町無頼の主人公・蓮田兵衛は武士階級初の一揆を起こしたとされ、歴史書に一度だけ登場する。