京成立石駅前で出会ったのは向島の芸者ゆきみさん(58歳)。仕事終わりに合流し、タクシー代をお支払いする代わりに家までついて行った。推定距離は5.3km、料金は3,200円だった。午前0時に帰宅。自宅は墨田区・押上の都営団地。築46年の3DKで家賃は3万円。自宅の目の前に東京スカイツリーがあった。室内には「東京卍リベンジャーズ」グッズがたくさんあった。推しはドラケン(龍宮寺堅)だという。プレイステーション2もあった。腱鞘炎になるほど「桃太郎電鉄」にハマったという。押し入れの中には大量の着物があった。向島の置屋や料亭が書いてある名簿を見せてくれた。「置屋」は芸者が所属し、料亭などに芸者を手配する事務所。「見番」は町全体の置屋や芸者の管理を行う組合。客が料亭に連絡すると、女将から見番、見番から置屋に連絡が来る仕組み。芸者は呼ばれるまで置屋で支度して待つ。呼ばれないと収入はない。お座敷遊びは誰でもすぐできる簡単なものが多い。「お開きさん」を教えてくれた。じゃんけんで負けたら足を3回開く。負けるたびにどんどん開いていって手をついたら負け。取材スタッフとやってくれた。負けたら罰杯でお酒を飲む。料金は芸者1人で5~10万円。部屋には37歳の長男・たつひささんの物がそのままあった。2年前に結婚したという。ゆきみさんは20歳で息子を授かり結婚するも、1年経たずに離婚。24~25歳の時に働いていたスナックで「着物が似合ってるから芸者になれば?」と言われ、芸者は定年がなく、長く働けるんだったらと思って芸者になったという。芸の厳しい指導を受けながら一人息子の育児をする生活だった。京成立石駅でゆきみさんの家について行ったら…女でひとつで子どもを育てながら芸者として生きてきた女性の人生を知りました。
