2月12日、隔離8日目、船内の陽性者は39人と増え続けていた。新規派遣が激減したDMAT。近藤や鈴木など一部の人間が連続して対応にあたっていた。そして船をおり職場に戻った隊員たちに待っていたのは誹謗中傷だった。様子がおかしい乗客をいると言われ鈴木が見に行くと、外国人の女性が廊下で泣き崩れていた。夫が2日前に陽性となり下船。搬送先で危篤になったという。夫のもとに行くため船から行きたいと懇願していた。しかし陽性者や体調不良者でないと下船できないのが原則。鈴木は厚労相などと交渉し女性を下船させた。しかし直後、別の救援チームから何を勝手なことをやってるんだと異議が唱えられた。そのとき、経緯を聞いた近藤は「鈴木の行動が認められないならDMATは撤収します」と言った。近藤は「被災者に足しての優しさがなければ、災害医療従事者じゃない」などと話した。2月15日、隔離11日目、陽性者が減らず病床がそこを付きかけていた。阿南は連日全国の病院に受け入れをお願いし続けていた。その時、自衛隊中央病院が100人以上の患者を受け入れることになった。さらに藤田医科大学岡崎医療センターも続いた。2月19日、隔離期間が終了。乗客や医療チームが下船。船の中で亡くなった人は1人もいなかった。ダイヤモンド・プリンセスで新型コロナ陽性となったのは712人。病院で治療が行われたが14人が亡くなった。
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