防衛白書の素案が明らかとなった。日本の安全保障環境について、中国が去年8月に初めて軍用機で日本の領空を侵犯し、翌月には空母が接続水域を航行したことを取り上げた。これまでにない最大の戦略的挑戦であり、日本の安全に深刻な影響を及ぼしうるとして強い懸念を示した。北朝鮮について、固体燃料を使用したICBM(大陸間弾道ミサイル)級を発射するなど、これまでより重大で差し迫った脅威になっていると指摘。今年度は敵の射程圏外から攻撃可能な「スタンド・オフ・ミサイル」の整備、複数の人工衛星を連携させ情報収集するシステムの構築を重視するとしている。自衛隊の人手不足を踏まえた処遇改善や、AIを活用した業務省人化に取り組むことなども盛り込んだ。防衛省は素案をもとに白書の作成を進め、7月にも閣議に報告したいとしている。