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「色ガラス棒入り虫籠」 のテレビ露出情報

依頼品は「びいどろ」10点。それぞれ平均20万円で購入したという。「びいどろ」とは江戸時代の日本製ガラスの呼び名で、ポルトガル語でガラスを意味する「vidro」が語源。1543年種子島に漂着したポルトガル人による鉄砲伝来とともにガラスの器がもたらされたが、本格的に日本でガラス製品が作られはじめたのは17世紀中頃。「びいどろ」の容量はヨーロッパ製のガラスと異なり、ヨーロッパ製にはソーダ石灰が用いられてたが、「びいどろ」には鉛が使われた。職人たちは複雑な型を精巧に作り上げ、様々な造形を生み出している。また、「びいどろ」には多彩な色があるが、生地に金属の酸化物を混ぜることによって起こる化学反応によるもの。さらに、青・緑・赤・紫などの色ガラスを混ぜ合わせた生地を使って整形する練り上げではガラスとは思われない独特な色彩を生み出す。装飾の技法も様々。鏨や柘榴石でガラスの表面をひっかくようにして模様を描くぎやまん彫り。蒔絵は漆で模様を書き、乾かないうちに金粉をまく装飾法。「びいどろ」の技術は長崎・大阪・京都・江戸へと伝わり、そのどこか異国を思わせる造形は人々を魅了し、大流行した。職人たちの腕もあがり、キセルから虫の音を楽しむための虫籠の格子、手拭掛まで「びいどろ」で作ってみせた。しかし、そのほとんどが薄手で壊れやすかったため、明治に入りヨーロッパから頑丈なガラスが輸入されると「びいどろ」は次第に姿を消していった。改めて依頼品を紹介。ぎやまん彫りや、蒔絵、型吹き、練上手など様々な技法が使われている。注目すべきはラッパ状の形をした「びいどろ」。寛政12年刊行の「長崎聞見録」によると、これは鶴朝顔の盃と呼ばれる、宴会の余興に使われるもので、酒をつがれると飲み干すまで床に置くことができない可盃の一つのようだ。果たして鑑定やいかに。

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