日本美術史上最も金を使いこなした絵師は琳派の尾形光琳。琳派の歴史の中で最も美しいと言われているのは菊図屏風。大輪の花がゆっくりとしたリズムで右から左へ、胡粉を盛り上げ描かれた花弁が力強い。使用された色は白、緑、黒のみで色彩が黄金と響き合い、輝きを一層際立たせている。小林さんは福井さんを令和の光琳と言っても過言ではないと語る。福井さんのライブペインティングでは爪を使って絵を描いていく。中指の爪を使って花弁に線を入れていくがメリハリが加わることで浮き立つ。こうして花ができあがり、残り時間わずかの中で筆で描き、緑で草をしなやかに伸びやかに描いていく。こうして花菖蒲が完成した。完成した作品を高島が「凛」と名付けた。青と緑が黄金の中にあり、奔放に花が咲き、一気呵成に書かれた茎と葉と筆の躍動感がある。15分14秒で描きあげた。